TVで日本料理店の厨房での弟子と師匠の関係で、
技術は盗め!という料理人さんの言葉を聞いたことがあります。
私もそれには大賛成。
技術を盗むのは大いに結構、盗めるものならどんどん盗むといいと思います。
でも、盗む=聞き出す(楽をして教えてもらおうとする)のとは
私は違うと思うのです。
私の場合の『盗む』とは…
例えば、とある作家さんの技術をどうしても身につけたいと思ったら、
その作家さんの作品を買います。
そして、家に帰ってからじっくり観察して、
そこから得られる情報を『盗む』
そして、実際に思いつくこと試行錯誤してやってみます。
でも、いくら観察したところで、
その作家さんの『味』は再現出来ないものです。
なんでも楽な道で進んでいこうとするやり方や要領の良い生き方もありますが、
私自身は、難問に行き着くと、自分でどうにか出来ないかと
長い時間をかけてコツコツと習得したり、学んだりするやり方で
これまで仕事をして来ています。
なので、私が何年もかけて習得した技術や、
何ヶ月もかけて、作品に合ったアイテムを探し出したモノを、
一瞬で、安易に聞き出そうと出来てしまう人に出会うと、
切ないというか、複雑な気持ちになります。
このアイテムに辿り着くのに、色々な同アイテムを何個も購入し
試すことを何ヶ月も繰り返し、ようやく見つけたものなのにな…と。
内心、凄くモヤモヤしながら、顔を引きつらせながら教えます。
器が小さい人間だな〜と思われようとも。
自分のオリジナリティーは、自分が時間をかけて試行錯誤した先に
得られるものであると私は思います。
勉強もそうですよね。
例えば、読めない漢字があった場合、
辞書(電子辞書ではなく本の方)をペラペラめくって、ようやく見つけて、
そうか!と思った時の方が人に聞いて安易に解決した時よりも
頭に残り、学びになりませんか?
私の子供の時は何を隠そう、後者が多かったので、
勉強が出来ませんでした。^^;
良い学びです…
好きなこの仕事は、勉強と違い、
好きだからこそ、人に聞いて楽に解決するのではなく、
試行錯誤の研究を重ねて、時間とお金を注ぎ込むことで、
私にしか出来ない、私らしい仕事が出来ると信じています。
その経緯には、辛い中にも喜びも幸せも含んでいます。
これからもそういうやり方で好きな仕事をしていきたいと思います。